秋は運動会やお出かけなど、家族で過ごすイベントが増える季節。重くなってきた赤ちゃんを抱っこしたまま上のお子さんの応援に走り回り、帰宅後は休む間もなく授乳……。気づけば背中はパンパン、腰は重だるく、一晩寝ても疲れが抜けない。そんなお悩みを抱えていませんか?産後の体は、出産からの回復途中に、抱っこや授乳という独特の姿勢が重なっています。今回は、産後に起こりやすい「猫背と反り腰の同時進行」の仕組みと、家でできる姿勢リセットを東洋医学の視点からお伝えします。
抱っこで「反り腰」と「猫背」が同時に進む理由

赤ちゃんを抱っこするとき、多くの方は無意識にお腹を前に突き出し、赤ちゃんの重みを骨盤で支えようとします。これが反り腰の始まりです。一方、授乳やおむつ替え、寝かしつけでは赤ちゃんをのぞき込むように背中を丸めるため、肩が内側に入った猫背の姿勢が続きます。つまり産後は「上半身は丸まり、腰は反る」という相反する姿勢を、一日に何十回も繰り返しているのです。
さらに出産後は、骨盤まわりの靭帯がゆるみやすく、お腹の筋肉も伸びて体幹で体を支える力が弱まりがちです。そこに体重が増えた赤ちゃんの重みが加わると、背中と腰の筋肉ばかりが頑張り続け、抱っこによる背中の痛みや腰のだるさにつながりやすくなります。
東洋医学では、このように病気とまではいえないものの不調が表に出始めている段階を「未病(みびょう)」と呼びます。「まだ我慢できる」と感じている今こそ、産後の姿勢を整えるケアを始めたいタイミングです。
背中の痛みは膀胱経からのサイン?東洋医学で見る産後のだるさ

東洋医学では、出産によって多くの「気(き)」と「血(けつ)」を消耗すると考えます。気は体を動かすエネルギー、血は筋肉や肌に栄養と潤いを届けるもの。産後はこの両方が不足しやすく、さらに夜間授乳による睡眠不足が重なると、回復が追いつきにくくなります。
背中には、首から腰、脚の裏側まで縦に走る「膀胱経(ぼうこうけい)」という経絡(気血の通り道)があります。気血が不足したうえに同じ姿勢が続くと、この膀胱経の流れが滞り、背中の張りや重だるさとして感じられやすいとされています。また、腰は生命力の源とされる「腎(じん)」と深く関わる場所。腎は出産で消耗しやすいと考えられており、腰のだるさが抜けにくい背景のひとつといえます。
加えて、慣れない育児の緊張や睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、筋肉がこわばりやすい状態をつくります。背中の痛みは「体が休息と補充を求めているサイン」と受け止め、無理を重ねないことが産後ケアの第一歩です。
この記事を書いた人

成谷茂樹(なりや しげき)
はり師・きゅう師・柔道整復師(いずれも国家資格)
はり処 悠禅 院長。自身も自律神経の乱れと不眠を鍼灸で改善した経験から、お一人おひとりに寄り添うオーダーメイド施術を行っています。
家でできる産後の姿勢リセットとセルフケアのツボ
忙しい毎日でも続けやすい、短時間の姿勢リセットをご紹介します。
①壁立ちリセット(1分)
かかと・お尻・肩甲骨・後頭部を壁につけて立ちます。腰と壁のすき間は手のひら1枚分が目安。すき間が大きい方は、おへそを軽く背骨側へ引き込むように意識しましょう。
②胸ひらきストレッチ(5呼吸)
両手を背中で組み、息を吸いながら胸を開いて肩甲骨を寄せます。丸まった背中と内に入った肩をリセットします。
③骨盤ゆらし(10回)
仰向けで膝を立て、息を吐きながら腰を床に押しつけ、吸いながらゆるめます。反り腰で緊張した腰まわりをやさしくほぐします。
あわせて取り入れたいのがツボケアです。ウエストの一番細い高さで背骨から指2本分外側にある「腎兪(じんゆ)」は、腎の働きを支えるツボ。親指で軽く押すか、カイロで温めるのがおすすめです。膝裏の中央にある「委中(いちゅう)」は膀胱経上のツボで、腰や背中の重だるさのケアによく用いられます。入浴中にやさしく押してみてください。抱っこ紐を高めに調整する、授乳クッションで赤ちゃんの位置を上げるなど、日常の工夫も効果的です。なお、帝王切開後の方や痛みが強いときは無理をせず、専門家にご相談ください。
まとめ
産後は、抱っこで反り腰、授乳で猫背が同時に進みやすく、背中や腰に負担が集中します。東洋医学では、気血の消耗や膀胱経の滞りがその背景にあると考えます。壁立ちや胸ひらき、腎兪・委中のツボケアで、毎日少しずつ姿勢をリセットしていきましょう。
産後の体のお悩み、ひとりで抱えずにご相談ください
「セルフケアだけでは追いつかない」「自分の体のことはつい後回しにしてしまう」という方は、ぜひ一度プロの手を頼ってみてください。はり処 悠禅では、鍼・お灸・整体を組み合わせ、産後の体の状態や姿勢のクセに合わせたオーダーメイドの施術で、体のバランスを整えるサポートをしています。
当院は完全予約制・完全個室の鍼灸院で、お子様連れも歓迎しています。高円寺駅徒歩1分、夜22時まで営業しているので、ご家族にお子さんを預けられる夜の時間帯にもお越しいただけます。高円寺で鍼灸・整体をお探しの方、杉並区で産後ケアができる鍼灸院をお探しの方は、まずはお気軽にご相談ください。



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