「夜中の2時、3時に目が覚めて、そこから眠れない」「朝起きた瞬間から体が重く、会議中も頭がぼんやりする」。10月に入り、こんな不調を感じていませんか。夏の暑さを乗り切ったはずなのに、なぜか疲れが抜けない。それは「秋バテ」かもしれません。特に責任ある立場で忙しく働く50代男性は、自分の不調を後回しにしがちです。今回は高円寺の鍼灸院「はり処 悠禅」の院長が、秋バテの原因と東洋医学的な整え方をお伝えします。
夜中に目が覚める「秋バテ」の正体 ― 寒暖差と自律神経の乱れ

10月は日の入りが早まり、朝晩と日中の気温差が10度近く開く日もあります。私たちの体は、この寒暖差に合わせて血管を縮めたり広げたりしながら体温を保っています。その調整役を担っているのが自律神経です。自律神経には、活動モードの「交感神経」と休息モードの「副交感神経」があり、本来はシーソーのようにバランスをとっています。
ところが、夏の冷房や猛暑で疲れがたまった状態に急な寒暖差が加わると、自律神経は休む間もなく働き続け、切り替えがうまくいかなくなります。これが自律神経の乱れです。夜になっても交感神経が優位なままだと眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚める中途覚醒につながりやすくなります。さらに50代男性は、加齢による睡眠の質の変化や仕事のストレスも重なりやすい年代です。
東洋医学では、こうした「病気ではないけれど不調がある状態」を未病(みびょう)と呼び、本格的な体調不良に進む前に整えることを大切にしています。秋バテは、まさに体からの小さなサインなのです。
東洋医学で見る秋の不調 ― 「肺」と「脾」の疲れがカギ

東洋医学では、季節ごとに影響を受けやすい臓腑があると考えます。秋と関わりが深いのは「肺(はい)」です。ここでいう肺は呼吸器だけでなく、全身に「気(エネルギー)」をめぐらせ、皮膚や体表のバリア機能を保つ働きも含みます。秋は空気が乾燥し、「燥邪(そうじゃ)」と呼ばれる乾きの影響を受けやすい季節。肺の働きが弱ると寒暖差への適応力が落ち、疲れやすさや眠りの浅さにつながると考えられています。
また、夏に冷たい飲み物やビールが続いた方は、消化を担う「脾(ひ)」も疲れている可能性があります。脾は食べ物から気を生み出す場所。ここが弱ると「気虚(ききょ)」というエネルギー不足の状態になり、朝からだるい、仕事に集中できないといった秋バテ特有の症状が現れやすくなります。
実は私自身も、かつて自律神経失調症と不眠に悩み、夜中に目が覚めては朝まで眠れない日々を過ごしました。そのとき鍼灸で体のめぐりを整えていく中で、少しずつ眠りが深くなっていくのを実感した経験があります。だからこそ、同じつらさを抱える方に寄り添いたいと考えています。
この記事を書いた人

成谷茂樹(なりや しげき)
はり師・きゅう師・柔道整復師(いずれも国家資格)
はり処 悠禅 院長。自身も自律神経の乱れと不眠を鍼灸で改善した経験から、お一人おひとりに寄り添うオーダーメイド施術を行っています。
50代男性のための秋の整え方 ― ツボ・入浴・鍼灸ケア
秋の体を整えるために、日常でできるケアをご紹介します。まずはツボ押しです。膝のお皿の下から指4本分下、すねの骨の外側にある「足三里(あしさんり)」は、胃腸の働きをサポートし、気を補うツボとして古くから知られています。手首のしわの小指側にある「神門(しんもん)」は、心を落ち着かせ、眠りを整えるツボ。就寝前にゆっくり呼吸しながら、5秒ずつ数回押してみてください。
また、38〜40度のぬるめのお湯に15分ほど浸かる入浴は、副交感神経を優位にし、寝つきをサポートすることが期待できます。寝る直前のスマホやお酒は眠りを浅くしやすいので控えめに。食事では、大根・梨・れんこんなど「白い食材」が肺を潤すとされています。
セルフケアで変化を感じにくい場合は、鍼灸もひとつの選択肢です。当院では経絡(けいらく)と呼ばれる気の通り道を見極め、鍼・お灸・整体をオーダーメイドで組み合わせて、一人ひとりの自律神経の調整をお手伝いしています。
まとめ
10月の秋バテは、夏の疲れと寒暖差によって自律神経が追いつかなくなることが大きな要因です。東洋医学では肺と脾の疲れが関係すると考えます。ツボ押しや入浴、食事で日々整えながら、未病のうちにケアすることが、健やかな秋冬を過ごすことにつながります。
「はり処 悠禅」は高円寺駅徒歩1分、22時まで営業の完全個室の鍼灸院です。完全予約制のため、周りを気にせずリラックスして施術を受けていただけます。仕事帰りにも立ち寄りやすいので、中途覚醒や朝のだるさが続く方は、まずはお気軽にご相談ください。



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